養子縁組と相続

養子縁組とは、親子関係のない者の間に法的な親子関係を創出する手続きです。

養子縁組をすると法的に「親子」になります。
つまり、養子は養親が死亡した場合に相続権を有します。

 

子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類あります。 

普通養子縁組

普通養子縁組の典型例は「婿養子」が挙げられます。

家系を途絶えさせない、家業の継承などを目的として利用されることが多いです。
また、相続税の基礎控除を増やすために利用されることもあります。


普通養子縁組をすることで次のような効果が生じます。

嫡出子たる身分の取得

・養親子間に相続権の発生
・扶養義務の発生
・養子が未成年の場合は養親の親権に服する
・養親の氏を称する
 
※ 婚姻によって氏を改めた者は婚姻継続中は婚姻氏を称する。

法定血族関係の発生

・「養子」と「養親」の間の親子関係の発生
・「養子」と「養親の血族」との間の親族関係の発生

※「養親及びその血族」と「養子の血族」との間には、還俗として親族関係を生じないが、縁組後に生まれた養子の子との間には親族関係を生じる。(大判昭7.5.11

実親との関係

継続

※ 養子は「実親」と「養親」との2つの親族関係を有します。

 

特別養子縁組

特別養子縁組は、実親との関係を終了させ、養親との間に新たな親子関係を生じさせる制度です。

親が子供を様々な理由から十分に育てられないような家庭環境に置かれた子供の福祉を確保するために設けられた手続きです。

 

普通養子縁組と特別養子縁組の比較

 

 

なお、特別養子縁組制度の利用を促進するため、特別養子にすることのできる年齢の上限をこれまでの原則6歳未満から引き上げることが検討されています。

 

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