信託財産の処分における受益者の承諾~登記の添付書類~

すでに信託財産として信託登記がされてる不動産を処分(売買等)する時、通常は受託者が当事者となって手続きを行います。

例えば、信託不動産を第三者に売却するのであれば、受託者が売主として印鑑証明書や実印、権利証などの書類を用意することになります。
もちろん、決済当日の立ち合いも受託者が行くことになります。

ちなみに、信託不動産を第三者に売却した場合に必要な登記は、次のとおりです。

登記の目的:所有権移転及び信託登記抹消

原   因:所有権移転 平成〇年〇月〇日
      信託登記抹消 信託財産の処分

登録免許税:金〇〇円
      移転分 金〇〇円(不動産評価額の2%。土地については1.5%)
      抹消分 金〇〇円(不動産1個につき1,000円)

 

 

さて、民事信託・家族信託では、信託財産を処分(売買等)する場合には受益者の同意を要する旨の定めを設けることもできます。
そして、通常この定めは信託目録にも登記することになりますので、その場合には受益者の同意なしに信託財産を処分することはできなくなります。

では、信託財産を第三者に売却する場合の登記に、この受益者の同意があった旨を証明するにはどのような書類が必要になるのでしょうか?

不動産登記において、登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、当該第三者が許可、同意又は承諾をしたことを証する書面を用意する必要があります。
通常は、それに実印を押印してもらい印鑑証明書(3か月以内)を添付して法務局に登記申請します。
なお、この同意や承諾等は登記原因日付に影響を与える場合と与えない場合があります。

 

では、信託財産の処分による登記において、受益者の同意を証する書面は「受益者の同意書+印鑑証明書」を添付する必要があるのでしょうか?

結論としては、報告型式の登記原因証明情報に受益者の同意があった旨とその日付を記載した上で、受益者の同意書及び印鑑証明書を添付することが必要になると考えます。(※)


なお、この時、受益者の判断能力が低下(認知症など)しているような場合、受益者は同意の意思表示を行うことができません。
そうなると不動産の売却をすることができなくなる可能性も考えられます。

そのため、受益者の同意を必要とする旨の定めを設けるような場合には、信託行為において受益者代理人を設定しておくことも検討する必要があるかと思います。

 

 


※ 知り合いの司法書士は報告型式の登記原因証明情報だけで登記が無事に終わったとのことでしたが、法務局によって判断が異なる場合もあるので事前に確認を取るといいでしょう。

 

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