定款に定めた事業目的以外の事業を行うことはできますか?
「できる」「できない」で言った場合には、「できる」という回答にはなりますが、注意は必要です。
民法には「法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。」と定められています。
基本的には定款で定めた事業を行ってくださいね、ということです。
しかし、定款に記載された目的のみだけではなく、その目的を達成するために必要な行為も行うことができる、と考えられています。
また、その必要な行為かどうかの判断も、客観的な性質に即した抽象的な判断で解釈するとされており、目的の範囲内の行為に該当することがほとんどではないのかと思います。
実際に業務(取引)を行う際に、その業務が定款の目的に記載されているか相手方の会社が確認することも通常ないかと思います。
また、許認可等が必要な業務の場合は、決まった文言が定款の目的に入っていないと許認可を受けることができなかったりもするので注意が必要です。(そもそも許認可を受けないで業務はできません。)
なお、仮に、定款に定めた目的と全く違う行為をした場合でも、罰則が定められているわけではありません。
が、コンプライアンス上、対外的には悪い印象を与えることになってしまいますし、相手方から訴えを起こされる可能性もゼロではありません。
健全で公正誠実な会社を運営するためには、定款の目的はしっかり定めておきましょう。
◆参考条文◆
民法34条