タイ人の印鑑証明書・サイン証明書
不動産登記・商業法人登記や会社設立、相続手続きなどで「印鑑証明書」が必要になることが多々あります。
不動産登記だけでも、相続・売買・贈与・財産分与など、各登記手続きで当事者の印鑑証明書が必要になります。
商業登記や会社設立では、発起人や役員になる方の印鑑証明書が必要です。
また、遺産相続手続きで、相続人にタイ在住のタイ人の方がいる場合には、遺産分割協議書にその方の実印(サイン)及び印鑑証明書(サイン証明書)を付ける必要があります。
日本在住の日本人や外国人など、日本で印鑑登録をしている人であれば、市区町村役場で印鑑証明書を取得するだけなので簡単な話なのですが、外国人などの日本で印鑑登録をしていない方はどうするかという問題があります。
外国人の場合には、印鑑証明書の代わりに「サイン証明書」を用意することで対応することが多いです。
サイン証明書とは、在外公館(領事館など)で領事の面前で「サイン」を書き、そのサインが「たしかにこのサインは本人のサインである」旨の領事の認証がされた証明書のことで、印鑑証明書の代わりになるものです。
印鑑証明書は“印鑑の印影”と“印鑑証明書の印影”が同じこと、サイン証明書は“サイン”と“サイン証明書に記載されているサイン”が同じことで、本人である担保が図られます。
前置きが長くなりましたが、今回は、タイ在住タイ国籍のタイ人の場合のサイン証明書についてです。
タイ在住であるということは、日本で印鑑登録ができないため印鑑証明書を用意することはできません。
そうすると、サイン証明書を用意することを検討する必要がありますが、タイの領事館ではサイン証明書は作成できません。
では、タイではサイン証明書が作成できないのかというと、そうではありません。
タイでは弁護士がサイン証明書を発行することができます。
また、弁護士の中でも公証資格を有する弁護士にサイン証明書の作成依頼をする必要があります。
タイの弁護士が作成するサイン証明書には、名前・住所・生年月日などが記載され、顔写真も載ります。
※ 制度改正等の可能性もありますので、ご自身で確認するようにしてください。