4.受益者連続型信託の期間は無制限にできますか?

無制限ではないです。
30年間という期間制限があります。(正確にはもっと長いです。詳しくは後述します。)

受益者連続型信託とは

 受益者連続型信託とは、例えば、委託者(父)所有の不動産を信託した場合に「当初受益者を父とし、父が死亡した場合の第二受益者を母とし、母が死亡した場合の第三受益者を長男とし、長男が死亡した場合の第四受益者を孫とし・・・・」というように、受益者が死亡した場合の受益権の相続先を何代も先まで指定するものです。

 

これを遺言書(跡継ぎ遺贈型遺言)によって同じようなスキームを実現することは、現在の見解ではできないとされています。

上記のスキームを遺言書で実現しようとした場合、遺言書で指定する権利は「所有権」です。
所有権について「父が死亡した場合は母に相続させる、母が死亡した場合は長男に相続させる・・・」と指定していくことになります。

所有権には「所有権絶対の原則」という性質があり、「所有権は誰からも侵害・制限されることなく、自由に使用・収益・処分することができる」とされています。
ですから、父が死亡した場合に母が不動産(所有権)を相続した後の相続先は、父ではなく母が決めることになります。 

一方、家族信託において財産を信託した場合には、相続の対象となるのは所有権ではなく「信託受益権」です。

信託は、所有権を信託受益権という「債権」に変える性質があり、それにより所有権絶対の原則から解放されるため、受益者連続型信託のような相続先を何代も先まで指定することができるのです。

 

受益者連続型信託の期間

 さて、この受益者連続型信託ですが、何代も先まで無制限にできるわけではありません。

ここで信託法の条文を見てみましょう。

(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)
91条 受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から30年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。

 

つまり、信託した時から30年経過した時の受益者が死亡して、その次の受益者が死亡した時に信託は終了する、とされています。 

わかりやすく例を挙げてみますと、信託行為において受益者がA→B→C→D→E→Fと何代も先まで指定されていたとしましょう。(こんなに先まで指定することはあまりありませんが。)

信託をしてから30年経過した時に受益者がDだった場合、Dが死亡した場合のD→Eの受益権の移転は可能ですが、Eが死亡した場合には信託が終了するということです。
もし、Dの受益者である期間が約30年、Eの受益者である期間が約30年あった場合、受益者だけに注目してみると信託の期間は合計で約100年
(A~Eの合計)ほどにもなり得ます。(受託者等の諸条件を考えるとそこまで続くかどうかはまた別問題ですが。)

 

なお、信託終了後の残余財産の帰属先の指定ができるので、それをFに帰属するようにうまく定めておけば、委託者の想いは実現されることになります。

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