信託事務を行う受託者が暴走した場合、どうすればいいですか?

受益者はその暴走行為を取り消すことができます。

 


 

民事信託・家族信託において、受託者は信託の目的を達成するための重要な役割を担う者です。

基本的に、信託財産は受託者が管理・運用・処分するわけですから、もし仮に信託財産を悪用しようと思えば、誰にもバレずに好き勝手にできてしまうわけです。

もちろん、受託者は信託の目的達成のために必要な範囲内で裁量権を有するのが大前提ですが、その範囲内がどの程度なのか明確ではありません。多くの場合、信託行為で受託者の権限を制限(明確に)することがほとんどかと思います。

そもそも、家族信託は委託者・受託者・受益者の「信頼関係」があってこそ成り立つものではあるのですが、世の中全ての家族信託において受託者が絶対的に信託事務を120%こなすことができる、という保証はどこにもありません。

家族信託では、信託を円滑に行えるように、そのような受託者の監視・監督役として「信託監督人」や「受益者代理人」というような第三者機関を置くことも認められています。

また、受託者が権限外の行為をした場合には、受益者に当該行為の取消権も認められています。

託者の権限違反行為の取消し

① 受託者の権限違反行為が、登記又は登録ができる信託財産に係る権利の設定又は移転である場合

次のいずれにも該当するときは、受益者はその行為を取り消すことができます。

・行為の当時、当該信託財産について信託の登記又は登録がされていたこと

・その行為の相手方が、行為の当時、当該行為が受託者の権限外の行為であることを知っていたこと、又は重大な過失により知らなかったこと

 

② 受託者の権限違反行為が上記①以外の場合

次のいずれにも該当するときは、受益者はその行為を取り消すことができます。

・ その行為の相手方が、行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたことを知っていたこと

・ その行為の相手方が、行為の当時、当該行為が受託者の権限外の行為であることを知っていたこと、又は重大な過失により知らなかったこと

取消権の時効消滅

次のいずれかの場合、受益者の取消権は消滅します。

① 受益者(信託管理人がいる場合には、信託管理人)が、取消しの原因があったことを知った時から3ヵ月経過した時

② 受託者の行為の時から1を経過した時

 

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