未成年者や認知症で判断能力のない者でも受益者になれますか?
なれます。
信託法9条では、受益者について次のように定められています。
信託法9条(脱法信託の禁止)
法令によりある財産権を享有することができない者は、その権利を有するのと同一の利益を受益者として享受することができない。
ある法令で「Aという財産権はBしか取得することができない」と定められている場合、B以外を受益者にすることはできないということです。
よく例に出されるのが鉱業法です。
鉱業法17条では、外国人が鉱業権を取得することを禁止しています。
受益権の内容が、鉱業権を有するのと同じような信託において、受益者を外国人に設定することはできないということです。
この場合、鉱業権者として動くのは受託者なので、受託者が外国人でなければ形式的には問題はなさそうですが、実質的にその利益は受益者が享受するので信託法ではこれを禁止しています。
上記のような制限がなければ、未成年者でも認知症の者でも受益者になることは可能です。
ただし、受益者が知的障がい者であったり重度の認知症等の場合には、受益者代理人の設置を検討することも必要です。