民事信託(家族信託)と商事信託はどっちを利用すればいいですか?
家族や親族に財産を託す『民事信託(家族信託)』と、信託銀行や信託会社に資産を託す『商事信託』では、どちらを利用すればいいのかという疑問もあるかと思います。
順序としては、まず民事信託(家族信託)でその想いを実現できるのかどうかを検討し、できなければ商事信託を検討するといいかと思いますが、この両者にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
その状況に応じて使い分けることも必要になると思いますので、両者の違いを簡単に見ていきましょう。
民事信託(家族信託) | 商事信託 | |
受託者となる者 | 家族や親族など | 信託銀行や信託会社 |
信託報酬 | 信託行為で自由に定めること可 | 原則として発生 |
監督庁 | なし(※) | 金融庁の監督 |
自由度 | 大きい | 小さい |
メリット |
① 信託できる財産に制限がない |
① 受託者を探す手間が省ける ② 受託者の不正・暴走の危険性が少ない ③ 信託財産を管理する手間が省ける |
デメリット |
① 受託者として適任者が見つからない可能性あり |
① ランニングコストがかかる |
※ 監督機関として『信託監督人』や『受益者代理人』を置くこともできます。
上記はあくまで目安としての基本的な内容ですので、ケースによっては異なることもあります。