信託管理人ってなんですか?

信託管理人とは、受益者が現に存しない場合に、受益者のために自己の名をもって受益者の権利に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する者です。

なお、家族信託において信託管理人が登場することはほとんどないので、ここから先は興味のある方だけご覧頂ければと思います。

 

信託管理人は信託行為において指定することができ、その指定された者が承諾した場合に、信託管理人として就任することになります。
なお、信託行為に信託管理人の定めがない場合や、信託管理人に指定された者がその就任を承諾しない場合などには、利害関係人の申立てにより裁判所が信託管理人を選任することができます。

信託において、受益者は信託から生ずる利益を享受する身分を有しますが、信託行為の際に必ず受益者が存在しなければいけないわけではありません。

信託において、受益者は不特定でも未存在でも構いません。(目的信託や公益信託についてはここでは省略します。)
たとえば、将来生まれてくるであろう子を受益者に指定する今度開催される大会の優勝者を受益者となるべき者に指定する、などといった場合です。

このような場合には、受益者が信託法上認められた権利を行使する者がいないことになるので、受益者が存するに至るまでの間、受益者に代わって受託者の監督を行い、信託に関する意思決定を行う者が必要になることも考えられます。

そこで信託法は、「信託管理人」という地位を作り、受益者保護の規定を置いています。

信託管理人の資格

次の者を除き、特に資格に制限はないとされています。

① 未成年者
② 成年被後見人
③ 被保佐人
④ 当該信託の受託者

信託管理人は、まだ存在しない受益者のために自己の名をもって受益者の権利に関する一切の行為をする者なので、一定の財産管理能力が必要であり、受託者を監督するのに適当な人物である必要があります。

信託管理人の任務(事務)の終了

信託管理人の任務(事務)は、信託管理人の死亡、辞任、解任等で終了するほか、次の事由で終了します。

① 受益者が存するに至ったこと
② 委託者が信託管理人に対し事務の処理を終了する旨の意思表示をしたこと
③ 信託行為において定めた事由の発生

なお、②③は「信託行為等によって信託管理人となるべきものが指定された場合に限られる」とされています。
つまり、利害関係人の申立てによって裁判所が選任した信託管理人を、委託者が独断でその事務処理を終了させることができるとは解し難いとされています。

しかし、家族信託は委託者の想いを実現するものでもあるので、委託者の意思を尊重すべきとも思いますし、信託行為において定めた事由による終了であれば当事者全員が承知しているはずですし、それを否定するいわれはないような気もします。

 

 

◆参考条文◆
信託法123条~130条

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