負担付遺贈とはなんですか?
負担付遺贈とは、遺贈者(財産を遺す者)が受遺者(財産を受け取る者)に対して、財産を相続させる代わりに一定の債務(義務)を負担させる遺贈のことを言います。
例えば、
・〇〇の介護をすることを条件に財産をあげる
・ペットの世話をする代わりに財産をあげる
というように、受遺者に一定の義務を負担させるようなイメージです。
また、この負担付遺贈にはいくつか注意点があります。
① 受遺者が負担を履行しない可能性がある。
受遺者が財産だけを受け取って、負担を履行しない可能性もあります。
そして、負担を履行しない場合でも財産を受け取ることはできます。
但し、受遺者が負担を履行しない場合には、相続人や遺言執行者は受遺者に対して、一定の期間内に負担の履行をするように催告することができ、その期間内に履行がないときには、家庭裁判所に対して当該遺言の取り消しを請求することができます。
② 受遺者は遺贈を放棄することができる。
受遺者は遺贈を受けずに放棄することができます。
遺贈者は、事前に受遺者と話し合って受遺者の了解を得ておくことが必要です。
なお、受遺者が遺贈を放棄した場合には、受遺者が受けるべきであったものは、遺言に別段の定めがない限り相続人に帰属します。
③ 遺言執行者を指定しておく。
上記①のように、受遺者がその負担をしっかり履行するかどうかを監督するために、遺言執行者を指定しておくことが、遺贈を実現可能性を高めます。
④ 受遺者が負う負担の限度。
受遺者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負います。
つまり、受遺者はもらう財産の価値以上にその負担を履行する必要はありません。
受遺者に与える財産と負担の割合が均衡するように配慮しなければなりません。